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介護だけやっていれば良かった時代の終焉 ~介護保険法・介護報酬改定で何が起こっているか~

vol.51 <2015年4月2日配信>
介護だけやっていれば良かった時代の終焉 ~介護保険法・介護報酬改定で何が起こっているか~

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◇ MSSニュース ◇ vol.51  2015年4月2日配信
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すっかり春らしい温かい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
このメルマガは、一般社団法人メディカルスタディ協会(以下MSS)主催のセミナー
にご参加いただいたドクターの皆様 お問い合わせをいただいたドクターの皆様
へお送りしております。
皆様のお役に立てましたら幸いです。ぜひ、ご愛読ください。

■ 介護だけやっていれば良かった時代の終焉
   ~介護保険法・介護報酬改定で何が起こっているか~
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                       文/新経営サービス清水税理士法人
                                   大谷内裕

 「介護だけやっていれば良かった時代」が終わりました。
何のことか、一連の介護保険に係る改定によって、大きく介護業界が変わります。今
月は、この未曽有の介護保険改定が、高齢者とその家族、地域で、介護現場で、どの
ような影響を及ぼすのかをレポートいたします。

1.一法人一事業の小規模介護事業所が減っていく

 平成27年4月の介護報酬改定率は△2.27%です。公的財源が厳しい中で下げ幅を抑
えたと厚労省は伝えていますが、その中身を見てみましょう。
  新たな基本報酬は、小規模な通所介護事業所は最大で約△10%、通所リハビリテー
ションは実質△20%、グルホ△6%、特別養護老人ホーム△6%と、大幅に下げられて
いるのが分ります。小規模な事業者ほど家賃や管理コスト等の固定費の割合が大きい
ため、厚労省が求める高い加算が算定できない、経営効率を高められない、自費等の
付加価値を上げられない事業所は、同じことをしていれば必ず赤字となり、資金繰り
にたちまち困窮することとなります。

2.利用者(患者)さんの利用控えが起こる、権利意識が高まる

 4月より介護保険料が上がり、年金の物価上昇スライド分の収入が抑制され、消費
税の負担もあって高齢者の生活費が目減りしています。利用控えが起こり、事業者の
収入が減ることが予想されます。
  また、平成27年8月からは、年280万円以上の年金収入のある単身高齢者は介護保険
の一部負担が二割になります。負担が増えると利用者の権利意識は高まり、これまで
以上にサービスを求める方が増えると考えられます。

3.ケアマネージャーのケアプランが保守的になる可能性、特定事業所集中減算が拡大
し収入減に

 法改正によりケアマネージャーのケアプランに関する行政指導が強化されます。臭
いものは元から断つといった発想です。また、同じ法人への介護事業所へのケアプラ
ンの発行は、一事業につき80%を超えると減算になり、対象事業が全ての事業に拡大
されました。これは平成27年9月から判定して翌年4月から適用されます。同一法人内
では利用者を減らす必要があり、これまた収入減の要因となります。他の事業所と積
極的に連携している、選ばれる事業所が有利となります。

4.同一建物減算の拡大

 医療保険にも適用された同一建物減算。介護保険においても更に強化されました。
例えばサービス付き高齢者向け住宅併設の訪問介護事業所を置いている場合、30名以
上の訪問は報酬10%カットだったのが、1名から適用に。同一建物・敷地内にない事
業所からの訪問も一月当り20名以上契約していると減算。高齢者住宅を計画されてい
る方は20室くらいのものにし、訪問介護や通所介護や小規模多機能は外部からがよろ
しいかもしれません。

 いずれにしても、介護だけやっていれば、介護保険の収入で賄えるといった時代が
終わりました。(1)事業規模を拡大する(統合、合併、多角経営化、事業連携を含
める)、(2)業務効率を高める、(3)自費収入を含めて付加価値を高める、(4)
収支管理・資金繰りを日々行うといった、マネージメントがこれまで以上に求められ
ています。
  今回の介護改定は、3年後の医療・介護のダブル改定前のほんの序章に過ぎません。
医療・介護の連携がより強力に求められることが予想されます。

 MSS関西では、介護事業に精通した業者が集まって、介護チームを結成しています。
介護事業を既に行っている方も、これから介護事業に展開するドクターにも、私たち
の知識とネットワークで、利用者獲得対策、行政指導対策、資金繰り、会計、新規介
護事業所立ち上げ、M&Aなど多岐にわたってお役に立てるかと存じますので、お声か
けください。

■ 編集後記
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 桜が満開になり花見にといきたいところですが、介護事業をおこなっている方は連
日大忙し。
  私がコンサル顧問を担当している介護事業者様に、今回の介護改定の影響を数字で
わかるようにシミュレーションを行ってみると、一目瞭然。
  収入減をどうするのか、この資料を基にスタッフ交えてミーティングする、集団指
導があると言われて行政の説明を聞き、弊社の介護セミナーにも参加する、利用者へ
の重要事項説明書を変更しないと、新しい加算の申請が締め切られる、…。
  私が経営助言をしても、書類作成を手伝っても、「不安だ不安だとばかり言ってな
いで、最終舵を切るのは経営者、それを支えるのはスタッフだよ、しっかりしてね」
とエールを送り続けている今日この頃です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の「MSSニュース」も宜しくお願いいたします。

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◆第3回 医院開業ミニ勉強会 (敷地・テナントの現地調査のポイント)
  テーマ(1):株式会社アッシュ・プランニング
  テーマ(2):険株式会社興永テクノス

 日時:5月24日(日) 13:30~17:00
  場所:大阪府社会福祉会館 4階 406号室

 セミナーお申込みの方はこちら
  https://www.mss-kansai.com/seminar/application/

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◆第4回 医院開業ミニ勉強会 (医療機器選定のいろは)
  テーマ(1):フクダ電子株式会社
  テーマ(2):株式会社ラボテック

 日時:6月21日(日) 13:30~17:00
  場所:大阪府社会福祉会館 2階 203号室

 セミナーお申込みの方はこちら
  https://www.mss-kansai.com/seminar/application/

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MSS関西では毎月第2木曜日に定例会を開催しております。

◆ 4月度定例会のご案内

 日時:4月9日(木) 17時~19時
  場所:大阪府産業創造館 6F 会議室E
     大阪市中央区本町1丁目4番5号(中央線・堺筋線「堺筋本町駅」から徒歩5分)
     http://www.sansokan.jp/map/
  講演内容(予定):日本福祉大学 講師
           COMフレンズ 代表 奥村慶雄
           「介護報酬改定について」

ドクターの皆様のご参加もお待ちしております。

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◆厚生労働省情報のお知らせ

 厚生労働省の平成26年度診療報酬改定の向けた情報をMSS関西の会員専用ページに
  掲載しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
  また、この内容の概要を毎月の定例会でもご案内させて頂きます。
  尚、会員専用サイトのID、PWはともに mssk となります。

 厚労省資料:https://www.mss-kansai.com/member/mhlw/

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